だが米オレゴン大学(University of Oregon)の地質学チームが非常に緻密な化学顕微鏡分析技術を用いて行った研究では、これらの化石が陸生生物のものだった可能性が高いとの結論に至った。さらにチームは、この生物は動物ではなく、菌類と藻類が一緒になった共生体「地衣類」か、微生物の集落(コロニー)ではないかとみている。
アリゾナ州立大学(Arizona State University)地球・宇宙探査大学院(School of Earth and Space Exploration)のポール・クナウス(Paul Knauth)氏はこの論文について、レタラック氏の仮説が正しいとすれば、海生から陸生への移行を定説よりも早く達成した生物が存在したことを示す発見だと述べ、さらに「移行がこの逆の方向(陸生から海生)に起きた可能性」さえも示唆するとコメントした。