2013年07月29日

「COVAREP (A Cooperative Voice Analysis Repository for Speech Technologies) 」

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「COVAREP (A Cooperative Voice Analysis Repository for Speech Technologies) 」
https://github.com/covarep/covarep


音声処理アルゴリズムのオリジナルの実装を提供してもらうことで,公平な評価と研究の進歩に拍車をかけましょう,ということが狙いらしい.

うーん,個人的にはこういう活動は複雑な心境.
私は「単純に使わせてもらう側」なので,うれしいけれど.

実装をした本人たちが望んでいるのであれば,ソースレベルでの提供をしてもいいのだろうけれど,出したくない人って,いるだろうなぁ.
他人に大いなるヒントを出してしまうこともあるし,それによって自分が職を失うことや奪われることもあるだろうし.

なぜかというと,研究というのは,本質的なアルゴリズムの開発以外の面というのが大きなウエイトを占めていることがあるので,たとえば,考えたアルゴリズムを実装する作業能力(速さとか,不具合のなさとか,メンテナンス性の高さとか)というのもその研究グループの能力(持ち味)のひとつだと私は思っている.
アルゴリズムを考えるのは得意だけれど実装することが不得意な人がいたら,実装が得意な人を探してグループを組む,というのが研究活動をする上での大きな仕事のひとつだと思う.
こういうリポジトリで収集する活動は,そういった面をかなり減らしてしてしまうことになる.

COVAREP の説明のところにもほぼ同じことが書いてあるけれど,論文を読んでアルゴリズムを完全に理解したところで,オリジナルと同品質のツールを他人が実装するのって,すごく難しいのですよ.
たいていはオリジナルよりも劣ったモノしかできない.
同品質のモノが作れたときというのは,たいていは,オリジナルの内容や品質がたいしたことがないとき.
だから,オリジナルの人がソースコードを公開しないことは,自分たちだけが着々と成果を上げていくためにはものすごくメリットがある.
ソースコードを提供してしまったせいで,自分たちよりもアルゴリズムの開発やチューニングの能力が高く,そこそこ実装ができる人のいる研究グループに,本来は自分たちが先に上げるはずだった成果を横取りされたらくやしいですよね.
くやしいという感情だけだったらまだしも,場合によっては職を失うかもしれないですよね,こんなふうに,どこもかしこも予算取り合ってやりくりしているんだもの.

偏見かもしれないけれど,こういった完全公開型の共有リポジトリを欲しがる人というのは,「動くモノが作れない人(作ることがヘタな人)」であることが多い.
あるいは,人に頭を下げることをものすごく嫌う人とか.
COVAREP の場合は,どうなのだろう?
今度,どうなるのかなぁ.
私は「単純に使わせてもらう側」なので,うれしいけれど.


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posted by NOIKE at 23:51 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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