2011年07月22日

「東工大と JST、高性能 TFT の特許ライセンスを Samsung に供与」

Web拍手:


「東工大と JST、高性能 TFT の特許ライセンスを Samsung に供与」
http://japan.internet.com/webtech/20110721/6.html



東京工業大学(東工大)と科学技術振興機構(JST)は2011年7月20日、東工大の教授、細野秀雄氏らが発明した IGZO(イグゾー)薄膜トランジスタ(TFT)と呼ばれる高性能 TFT の特許について、韓国 Samsung Electronics へライセンス供与すると発表した。この TFT は電子移動度が高く製作も容易であることから、高解像度や大型の液晶ディスプレイ(LCD)などへの応用が期待されるという。

従来の TFT は、水素化アモルファス シリコン(Si)ベースであったが、電子移動度を高くすることが難しいという。これに対し、細野氏は1995年に電子移動度の高い「透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)の設計指針を提唱。その後の研究で インジウム(In)-ガリウム(Ga)-亜鉛(Zn)-酸素(O)を材料に TAOS の一種である IGZO TFT を実際に作り、アモルファス Si TFT に比べ電子移動度が1桁高いことを確認した。2004年3月に IGZO TFT の特許を出願し、11月に英国の科学雑誌「Nature」で研究成果を論文として発表した。

IGZO TFT は電子移動度がアモルファス Si TFT の10倍から20倍あるため、ディスプレイに応用すると約10倍の高解像度化が可能という。また、成膜時に蒸着基板の加熱が不要で低温プロセスでの蒸着やスパッタリングといった製造技術を使ってプラスチック フィルム上に TFT を作れるので、用途が広がるとみている。

なお、細野氏のグループが発表した論文が契機となり、国内外のディスプレイ メーカーなどが相次いで IGZO TFT の応用研究を始めたという。特に Samsung は2010年11月、千葉県の幕張メッセで開催されたフラット パネル ディスプレイの総合技術展「FPD International 2010」に表示画素数 3,840×2,160ピクセル、フレーム周波数 240Hzの70インチ LCD を出展するなど、研究/実用化に取り組んできた。



【コンピュータの最新記事】
posted by NOIKE at 08:55 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「東工大の発明、サムスンに売れた…特許使用契約」
Excerpt: 「東工大の発明、サムスンに売れた…特許使用契約」 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110721-OYT1T00092.htm?from=rss&..
Weblog: とりコー
Tracked: 2011-07-23 05:08