2008年01月28日

五線譜上の歌詞を歌わせる

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MusicXML to MP3 with ぼーか郎を正式公開しようとしつつあります.
一応,現段階でも公開していますが,トランスポーズ機能(音高をシフトして歌声が自然になる音域に調整できる機能)をつけたら,正式公開とする予定です.
http://noike.info/~kenzi/cgi-bin/xml2mp3/

MusicXML to MP3 with ぼーか郎によって,ピアノロール入力や,MML 入力が苦手な人でも,五線譜に歌詞を入力することによって,歌声入り音楽を作ることができます.

歌詞入りの MusicXML の作成には,
イーフロンティアの Finale
河合楽器のスコアメーカー
がよさそうです.

たとえば,こんなふうに五線譜上に歌詞を書きます.
普通の楽譜と同じですね.(クリックすると拡大表示)

kaeru.png


そして,MusicXML というファイル形式ににエクスポートします.

kaeru_Finale_export.png


エクスポートしてできた MusicXML ファイル(拡張子は .xml)が,これです.→kaeru.xml
このkaeru.xmlMusicXML to MP3 with ぼーか郎に送信すると,このように歌声が生成されます.
(先頭 5 秒以降は,すべて無音です.楽譜上末尾の休符に対しても,律儀に無音を生成します.)



さらに,ぼーか郎はポリフォニー音源で,マルチパート音源で,マルチティンバー音源ですから(笑),こんなふうに,他のパートも同じアプリケーション上で作成できます.(クリックすると拡大表示)

negaigoto.png


息継ぎの記号(ブレス記号,ボウイング記号,up-bow, down-bow)を書いておくと,ささやき声の「は」を使って,息継ぎのエミュレーションもします.
息継ぎのタイミングは,息継ぎの記号を左右に動かして調整できます.(クリックすると拡大表示)

ikitugi.png


これ↑の MusicXML →negaigoto2.xml


うーん,この音域だとつらい(^^;).トランスポーズ機能は,必要ですね.
Finale でトランスポーズするよりは,MusicXML to MP3 でトランスポーズできたほうが,きっと簡単ですよね.


同様にして,輪唱の楽譜を書けば,輪唱の歌声が生成できます.
(「静かな湖畔」あたりを試しに作ってみようかな)

機能的には「普通の声」と「ささやき声」など,複数の声色を同時に使うことができるのですが,いまは楽譜上での入力方式を検討しているところですので,まだそれはできていません.

今回は,Finale を使って示しましたが,スコアメーカーの歌詞入力でも同じことができます
スコアメーカーのほうは,15 日間試用可能な体験版がありますので,次回は,それを使って例を作ってみます.

--

ろーか郎
http://cancoffee2.at.webry.info/200801/article_15.html

着うたへの変換時のパラメータを,ユーザが選択可能に
http://cancoffee2.at.webry.info/200801/article_7.html

ぼーか郎による着うた生成(実験中)
http://cancoffee2.at.webry.info/200801/article_2.html

FlMML(はてなダイアリーの MML)に,暫定的に対応
http://cancoffee2.at.webry.info/200712/article_1.html

ぼーか郎 MML サンプル -- 「よ〜ろれいっひー」
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_27.html

ぼーか郎 MML サンプル -- 息継ぎのエミュレート
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_18.html

ぼーか郎 MML サンプル -- 「謎」っぽいもの
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_17.html

もっと手軽に「ぼーか郎」
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_15.html

VOCALOID モドキ「ぼーか郎」を作ってみる -- 第4報 --
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_14.html

VOCALOID MIDI 形式
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_8.html

VOCALOID モドキ「ぼーか郎」を作ってみる -- 第3報 --
http://cancoffee2.at.webry.info/200711/article_7.html

VOCALOID モドキに,しゃべらせてみる
http://cancoffee2.at.webry.info/200710/article_3.html

VOCALOID モドキに名前をつける
http://cancoffee2.at.webry.info/200710/article_2.html

VOCALOID モドキを作ってみる -- 第2報 --
http://cancoffee2.at.webry.info/200710/article_1.html

VOCALOID モドキを作ってみる -- 第1報 --
http://cancoffee2.at.webry.info/200709/article_27.html

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【コンピュータの最新記事】
posted by NOIKE at 22:44 | Comment(4) | TrackBack(12) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
MusicXML というのは初めて知りました。XFなどと行き来するコンバータを作れば便利かもしれませんね。

--
Posted by てつじ at 2008年01月29日 19:23
MusicXML は,楽譜を記述する XML としては,だいぶ主流になりつつあります.
先日,IANA の Application Media Types として認められました.
別物である IPA の MusicXML と名前が同じなので,日本で情報を集めるときは,そこに注意してください.

ただ,データ記述方法としては,私は「MusicXML は,センスないなぁ」と思います.
楽譜情報の記述と,演奏情報の記述とで,記述方式に一貫性がないような印象を受けます.
特に,時間軸を戻る記述をしないと,多旋律をかけないところが,音楽向きの志向ではなさそうだと感じました.
Finale の内部データ形式(MUSEDATA) に依存したつくりになっているからだと思われます.

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Posted by NOIKE at 2008年01月29日 21:11
タダでもらったFinaleがあることを思い出したので、インストールして見てみました。確かにありました、MusicXML。midiからは、かなり遠いフォーマットですね。。。
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Posted by てつじ at 2008年01月30日 17:14
少し前の Finale だと,Plug-in のところに MusicXML の項目があると思います.
「楽譜を XML で書く」という目的に対しては,もっといい方法がある気がします.
MusicXML の ML でも,設計者がたまにセンスのなさを批判されていますね.

--
Posted by NOIKE at 2008年02月01日 13:11
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Renoid サウンドフォント版は,やっぱり,ベロシティをつぶしてしまっているらしい.うーん,音量と違ってベロシティは音量のエンベロープを変化させるので,歌声合成(音声合成)ではベロシティというパラメータはつぶさないほうがいいと思う.
Excerpt: http://reg.s63.xrea.com/Renoid/SF-use.html 「 Renoid サウンドフォント版は、ベロシティ指定によってサンプルの音量を変化させる事は出来ません。 なぜなら..
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