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「Suica履歴、販売していた…乗客に説明せず」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130718-OYT1T00726.htm「
約4300万人が利用するICカード乗車券「Suica(スイカ)」の乗降履歴が、今月からJR東日本によって市場調査用データとして販売され始めた。
JR東は「名前などは匿名化している」として、利用者に販売の事実を説明していなかった。国土交通省は個人情報保護法に抵触する可能性がないかJR東から事情を聞く一方、「事前に利用者に説明すべきだった」と注意した。企業の熱い視線がビッグデータに注がれる一方、プライバシー保護については明確なルールがない状態だ。
提供データは、私鉄を含む首都圏約1800駅の利用者の性別、年齢、乗降日時。定期券として使う客の場合も氏名や住所は除き、IDで個々のデータを識別する。日立製作所が購入し、駅ごとの集客力や客層を分析の上で販売。情報料は最低で年500万円になるが、「企業のマーケティング戦略に役立ち、需要は大きい」と説明する。
(2013年7月18日14時49分 読売新聞)
」
多くの人が気に入らないのは,「直接的にメリットを提供するわけでもない "日立製作所" が」,「急に "間に" 入ってきて」,「"日立製作所の" 利益になる」ことだろうと思う.
これがたとえば,
「JR駅周辺の "コンビニ会社" が "JR利用者向け" の商品の提供の仕方を研究したいので JRからデータを買った.でも自分たちでは解析ができないので,日立製作所に "解析だけを委託した" .」
なら納得するひとも多いんじゃない?
要は,データの流れとお金の流れの順番が通常の利害関係と異なっているから,納得しづらい.
通常は,たとえば,
データ:
JR →(受け取る) コンビニ会社 (委託する)→ 日立製作所
お金:
コンビニ会社 (支払う)→ JR
コンビニ会社 (
支払う)→ 日立製作所
という具合になるので,これなら主体がコンビニ会社だし,コンビニ会社が利益を得るために妥当な出資をしているわけだし,Suica 利用者はコンビニ会社からメリットを受けるだろうから納得する人は多そうだけど,
データ:
JR →(受け取る) 日立製作所 (商品として渡す)→ どこか 1
→ どこか 2
→ どこか 3
→ ...
お金:
日立製作所 (支払う)→ JR
日立製作所 (
受け取る)← どこか 1
← どこか 2
← どこか 3
← ...
こういうふうに間に入ったところが旨味を吸いまくるビジネスモデルは,Suica 利用者は納得しないんじゃない?
金額の大小があるので一概には言えないけれど,間に入る会社の「支払う」のところが「受け取る」に変わるものなぁ.
さすがに,Suica を使うときに,こういう利用のされ方(商品化のされ方)は,Suica 利用者は想定していない人のほうが圧倒的に多いんじゃないかなぁ.
つまり,Suica 利用者にとっては,日立製作所に限らず,"間に" データ解析会社なんか入ってもらう必要はないわけですよ.
この種のデータ売り買いのビジネスでデータ提供者に納得してもらうためには,データ解析会社は,データ提供者にメリットを提供する会社の下流にないと.
「勝手に間に入られて,勝手に利益あげられたんじゃたまらない」と思われるものだと承知していないと.
端的に言ったら,「こんな商売をしようとするなんて,浅ましいなぁ」とほとんどの人は感じる.
posted by NOIKE at 16:59
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