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「理化学研究所と NEC、量子ビットを高精度に読み出す新回路を作製」
http://japan.internet.com/webtech/20121108/3.html
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理化学研究所と NEC は、量子ビットのエネルギー緩和率を増大することなく量子ビットの読出し信号を増大させる手法を実証し、量子ビットの読出し精度90%を達成した。」
これは理研基幹研究所物質機能創成研究領域 単量子操作研究グループ 巨視的量子コヒーレンス研究チームのツァイ ヅァオシェンチームリーダーらの研究チームの成果だ。
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研究チームは、磁束型量子ビットと LC 回路をコンデンサーで介して接続した回路を作製して実験したところ、読出し信号を5倍以上に高め、また、実際に量子ビットを90%の精度で読出すことに達成した。今回の成果は、量子計算のエラー訂正において必要となる「1度の試行による高精度読出し」にも応用できるという。」
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なお、現実の量子ビットで例えば1状態を準備すると、ノイズなどの影響により、ある確率で勝手に0状態に変化してしまう。これを「エネルギー緩和」といい、エネルギー緩和が単位時間内に起こる確率を「エネルギー緩和率」という。」
「分散読出し」とは、量子ビットの読出し方法の1つ。量子ビットと共振器を結合し、量子ビットの状態に応じて、共振器の共振周波数が変化することを利用する。このとき、量子ビットと共振器の共鳴エネルギー差が結合のエネルギーに比べて十分大きいことが必要。共鳴エネルギーが大きく異なるため、量子ビットと共振器は直接エネルギーのやり取りをしない。これにより量子非破壊測定が可能となる。