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「生体をゼリーのように透明化=浸すだけ、試薬を開発−理研」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011083000893
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浸すだけで生体の組織を透明化する試薬の開発に理化学研究所の研究グループが成功し、30日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスに発表した。組織内部の3次元的構造を壊さずに詳細に観察することができ、さまざまな研究への応用が期待される。
多くの動物の身体は、外から入ってきた光を散乱させるため、表面から内部を透かして見ることはほとんどできない。有機溶媒で透明化する技術もあるが、溶媒がたんぱく質を変性させるため、緑色蛍光たんぱく質(GFP)などを使った可視化はできなかった。
理研脳科学総合研究センター細胞期脳探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダーと浜裕研究員らは、保湿クリームなどに使われる尿素を主成分にした試薬「Scale」(スケール)を開発。ホルマリン漬けにしたマウスの胎児や脳をスケールに最長2週間浸したところ、光の散乱が抑えられ、ゼリーのように透明になった。
顕微鏡を使った脳の観察では、表面から深さ約4ミリ先まで詳細に見通せるため、脳の表面(皮質)だけでなく、内側の海馬と呼ばれる部分の神経回路の立体構造を確認できた。また、蛍光たんぱくを使った観察も可能になり、海馬の中で増殖する神経細胞が、血管の近くに集まっている様子も明らかになった。(2011/08/30-20:57)
」